特殊詐欺の電話!?年金を増やす方法を教えるというので本人に会ってみた

老後あるある
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それは若い女の声

 

ジャンジャジャ〜ン♪

ジャラジャラ〜♪

 

滅多に鳴らないスマホに着信の音が鳴り響いて私は驚いた。

危うくスマホを風呂に落としてしまうところだった。

 

そうだ。

私は風呂に入りながらいつもスマホのパズルゲームをしている。

 

『あっぶね〜!』

 

この着信音はちょっと心臓に悪いから変えよう。

それにしても私の入浴中に電話をかけてくるやつはいったい誰だ。

 

着信番号を見ても登録されている番号ではない。

登録されていない番号には滅多に出ることはないので、だいたいスマホの画面をスライドして拒否にする。

しかし風呂の中で慌てていた私は、あろうことかスライドの方向を間違えて通話にしてしまった!

 

オ〜マイガァ!!

 

と思った時には電話口から声が聞こえていた。

 

『もしもし』

 

若い女の声だ・・・

若い女が裸の親父になんの用だ?

 

一瞬、特殊詐欺かとも思ったがまさかこんな若い女が?

と思い私も『もしもし』と返事をした。

 

素っ裸で湯船に仁王立ちのままスマホで話す男。

シュールだ。

 

一応右手で前を隠す。

ビデオ通話じゃないだろ!

 

女は何か儀礼的な挨拶をしていたが、なんせ風呂場だからよく聞こえない。

ボワンボワン言っている。

 

なんのご用件でしょうと尋ねると、何やら私の年金を増やしてあげましょうと言っている

ではないか。

 

『それはご丁寧にありがとうございます。』

 

じゃなくて!

いかにも怪しいだろう!

人の年金をタダで増やしてくれる奴がどこにいるんだ。

 

正しい方の私が心の中でそう言っている。

しかし・・・

 

なんせボワンボワンだし早くゲームしたかったので、

『ハイハイ、じゃあお話だけでも聞きましょう』

と言って電話を切った。

 

するとすぐさま今度はショートメッセージが送られてきた。

それには指定日時や指定場所などが丁寧に説明されていて、受け子担当の名前までちゃんと書かれている。

しかもそのメールには通帳と銀行印、マイナンバーカードまで持ってこいと指示されているではないか。

 

こりゃそうとう怪しいぞ。。。

怪しいけど可愛い声だった♡

 

バカか。

 

電話口だけ可愛い女が出て、現場に来るのはイカついタトゥにピアスをジャラジャラつけた腰パン野郎が来るんだよ!

 

それはわかっている。

だが潜入捜査とはそういうものだ。

 

おいおい、いつから潜入捜査班に所属?

 

そして昨日指定された場所に行ってきた。

なんと指定された場所というのは銀行のATMだった!

 

中を見てみると大勢の年寄りたちがATMから金を下ろしているではないか。

なんとシルバーカーの行列までできている。

この年寄りたちはみんな受け子に渡す金を下ろしているではないのか・・・

 

ヤ、ヤバイところに来てしまった!

と思った瞬間・・・

 

受け子。

 

じゃなくて電話口で話したあの女性が目の前に立っていた。

 

『みずほ銀行個人営業課のK本と申します。本日はありがとうございます!』

 

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え?銀行の方っすか?

 

あ・・・

 

特殊詐欺犯の方じゃなくて?

 

みずほ銀行の営業の方?

で、私の年金を増やしてくれるって話はなんでしょう。

 

ずいぶん話を引っ張ったが、風呂場でかかってきた電話は特殊詐欺犯からではなくみずほ銀行の営業の方からだったのだ。

 

みんな最初から気づいてたよね。

優しいね〜。

 

で、年金を増やすという話からが本番だ。

風呂場での話だったのでよく聞こえなかったのだが、年金をどうやって増やすかという話をK本さんはしたかったらしい。

 

ここでようやく私のシナプスが繋がった。

なんだ。

いわゆる保険の銀行窓販というやつね。

 

銀行が保険会社の個人年金保険の勧誘をすることで銀行が手数料をもらうという仕組み。

やっていることは知っていても実際に勧誘されたのは初めてなので、自分が勧誘されて初めて知ることになった。

 

別にいらない体験ではあるが・・・

 

せっかくなのでいろいろと話を聞いたがピンとくるものはなかった。

確かにこの低金利時代にいくら定期預金に預けようと利子は増えない。

だったらまだ国債や個人年金にした方がいいという理由もわかる。

 

国債は特に今人気のようで、何年かぶりに10年国債の利率が上がったそうなのだ。

国債の場合は元本は保証されるのでリスクはない。

 

ただね〜。

仮に1000万預けても利子は年間14000円。

10年預けて14万だ。

 

確かに定期預金だと200円くらいの利子だからそれよりはうんといいのはわかる。

ただ、10年国債は変動利率だから半年後の利率はおそらくまた半分に下がると思われる。

 

保険の個人年金も同じように、1000万を10年預けると75歳から毎月6万円くらいが年金のようにずっともらえるそうだ。

その損益分岐点は87歳。

 

その受け子担当のK本さんに私が言った。

87歳になって何かお金使うことありますかね?

 

饒舌だったK本さんはここで口をつぐんでしまった。

 

そして私は無事に特殊詐欺事件から解放された。

 

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それにしても・・・

 

年寄りの家に電話をかけて保険の営業をする銀行って、なんだか特殊詐欺に似ていると思った。

騙しているわけではないから真っ当な営業だろうが、営業の話の内容が年金が増える話が9割で損する話は1割。

 

リスクを説明しないのはいかがなものだろう。

またデフレに戻ったら・・・

円安が円高に変わったら・・・

そこをちゃんと説明しないと老人は簡単に騙されてしまう。

 

実は外貨建ての終身保険は国民生活センターへの苦情も多い。

なのでリスクがあることもきちんと話すべきだと思う。

 

電話をかけて老人を呼び出しATMで待ち合わせ。

通帳と銀行印とマイナンバーカードを持ってこいと指示。

今やらないと損をするという話。

 

やっぱり特殊詐欺に似ている。

 

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コメントありがとうございます! いつもコメント楽しみに読んでいます。 しばらくお返事ができませんがコメント頂けたら嬉しいです!

  1. より:

    いつもながらあなた様のブログは痛快!起承転結面白く面白く、本日のは特に秀逸の極でございます。
    おそらくあなた様はプロですね。ていうか、日経か文春かにコラム書いていただきたい。発行部数上がると思いますよ~

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