私論
『人生の意味』
これについてはブログの中で何度も書いてきた。
しかし自分が思うその人生の意味についてはこれまで一度も語ったことがない。
なぜなら私論であるし人間の数だけその意味もあるのかもしれないから。
なぜ人は生まれてくるのか。
生きるってどういうこと?
若い方達はみな一度はこのことを考え、答えがわからず思い悩む。
しかし歳をとるということは不思議なものだ。
だんだん他人が書いた哲学が意味をなさなくなり、自分の中に自分なりの哲学が生まれてくる。
だから私はいつからか『あいだみつを』が嫌いになった。
ついでに言えばわかった風に偉そうな言葉を書くやつはみな嫌いだ。
いい歳して他人が書いた哲学に感心しているやつは人生にまだ何も学んでない。
もう一度おむつはめて人生をやり直せと言いたい。
なんだか自分が一番偉そうだな。
謙虚さがない大人もダメだろう。
私もおむつはめるところからやり直さないとダメかな。
まあ、もうすぐライフリーだからいいか・・・
人生の意味とは
今日は思い切って私が考える人生の意味について書いてみたいと思う。
あくまで私論だからあなたと考えが違ってもご容赦いただきたい。
自分で勝手に生きる拠り所として胸にしまっておけばいいものを、あえて今なぜ書こうと思ったのか・・・
それはある医師が人生の意味について書いている記事を見たからだ。
その医師は人生の意味とは『誰かの役に立つこと』と書いていた。
誰かの役に立つために人は生まれてきたのか?
それが人生の意味?
その医師は、すべからく人は生きているだけで誰かの役に立っていると論じているので、誰もが無意味に生きている人はいないということだ。
なるほどな。
そういう考え方もあるのかもしれない。
人は強烈な経験をすると普段使わない脳がぐるぐる回る気がする。
私がその経験をしたのは嫁の死だった。
5年前の6月。
おりしも梅雨の真っ只中に葬儀を行った。
その日は朝から雨だったにもかかわらず、葬儀が終わり出棺というときに急に空が晴れて後光のような太陽の光が降り注いだことに参列者はみなびっくりした。
それから空は真っ青な夏の青空になったのだ。
天気予報では1日中雨の予報だったのに。
結婚とはつくづくいいものだと思った。
他人のためにこんなに涙を流すことなど他ではない。
他人が死んだからと言ってこれほどもがき苦しみ泣くことなどあるだろうか。
おそらく結婚というこの2文字の儀式でしかこの感情は経験できないと思う。
そしていく日かが過ぎて、そこに立ち止まったままだった心が少しづつ動き出す。
薄皮が剥がれるように心が癒えていき、ようやく長い夫婦生活を思い返せるようになる。
そうやって昔を思い返す時間の中で突然そのことに気づいた。
何かが急に自分の心に降りてきたのだ。
当時を思い出すとそれは『啓示』という言葉に似ているかもしれない。
そして心が広々と一気に拓けた気分になった。
とても不思議な一瞬だった。
そしてその時に私は思ったのだ。
人生の意味とは『愛を知ること』なんだと。
長い時間、お互いを思いやり、気遣い、そして愛と尊敬をもって相手を見送り見送られる。
相手の死をもって結婚生活は終わった。
しかしそうやって相手の愛によって生かされてきたことに気づいたときに、これこそが人生の意味だと思った。
『愛を知る』などとあらためて口すると、とってもキザに聞こえるかもしれない。
こうやって書いてても自分自身が気恥ずかしい。
しかし滅多に口にもしないし考えもしないことに真理はあると思う。
なぜ愛が人生、いや人類が生まれた意味だと思うかというと、世界は愛に満ちていないと戦争が起こり自然は破壊されいずれ地球が滅びてしまうからだ。
今でも世界中で起きている戦争やテロ。
人類は歴史に学ばない。
だから愛を学ぶしかないと思う。
私は決して世紀末論者でも終末論者でもないが、大袈裟に言えば愛が地球を救うと思っている。
24時間テレビか!
と言われそうだが私は24時間テレビは嫌いだ。
裏が透けて見えるように作られたものに感動などしない。
あくまで私論である。
結婚がいかにすばらしいものか。
深い愛を知ることがいかに大事なことか。
すべて私の考えだ。
しかしそれを知ったことで私の人生は意味があった。
追記
昨日もいい日曜日だった。
三茶での買い物はリニューアルしたSEIYUで済ませた。
ビール売り場をウロウロしていると50代とおぼしきご夫婦が、やはりビールのショーケースの前で何やら話をされている。
ご主人が新発売の缶ビールを手に取って、奥様に今夜2人で飲もうとおっしゃっていた。
奥様は『いいわね』と言ってご主人に笑顔を向けられている。
1本を2人って足りんやろ!!
と思いつつ、きっとこのご夫婦はそれで十分幸せなのだ。
なんだかお2人が楽しそうに食事されている風景が目に浮かんだ。
この方達もいつか人生の意味を知る日がきっと来るはずだ。
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