ヒーローってカッコいいですよね!
ヒーローと聞いてあなたは誰を思い浮かべますか?
私は今なら大好きなアニメの主人公『水篠旬』
『水篠旬』って聞いたことありますか??
誰も知らないですよね〜
いいんです!いいんです!知らなくて!
高齢者でこの名前を知ってる方がおかしいですから(笑)
ヒーローって自分にとっての英雄であり勇者であり
憧れる存在であればいいわけですから
誰をヒーローとして崇めようと
それはあなたの自由です!
でもヒーローですからね
自分にとってはカッコよくて誰よりも強くて
誰にも絶対に負けない人であってほしい
あなたが呼べば必ず飛んで来てくれる
あなたが困っていれば必ず助けてくれる
それがヒーロー!
おそらくスパイダーマンとかね
キャプテンアメリカとかね
みなさん、そんなイメージでしょう
でも・・・
世の中にはそんなヒーローのイメージとは
まったくかけ離れたヒーローがいるんですね
全然強くもない
カッコよくもない
でも、誰か困っている人のためのヒーロー
そんな名もなきヒーローが
世の中にはいらっしゃるんです
私が住むマンションは築40年以上経っているので
オートロックでもなければ
自動ドアもありません
雨ざらしの外階段を歩かないと
上階には行けないのです
だから入ろうと思えば
誰でも玄関までは入れるから
めんどくさい熱心な宗教関係の方々や
迷惑な素敵な訪問販売の営業の方などが
頻繁に訪ねて来られるのです
駐輪場は一応屋根付きなので助かってますが
ゴミ置き場は道路に面していて
カラス除けのグリーンのネットがあるだけの
粗末なゴミ置き場です
なので正月明けのゴミが溢れているような時は
ネットに収まりきらず
そのゴミを狙ってたくさんのカラスたちが
どこからともなく集まってくるのです
カラスに見つかったゴミ置き場は悲惨です
生ゴミだろうが弁当の食べ残しだろうが
容赦無くあさりまくって
そこらじゅうをゴミだらけにして
山へ帰っていくのですから・・・
しかし!
うちのマンションの管理会社は優秀で
ゴミが散乱したかと思ったら
翌日は綺麗に片付けてあって
もう何事もなかったかのような美しさ!
それを見て私は
なんて素晴らしい管理会社なんだと
ゴミが散乱するたびに管理会社の対応に
感謝しておりました
そんなある日
私の部屋の向かいにお住まいの
80歳くらいの腰の曲がったおばあちゃんが
何やらホウキとちりとりを持って
部屋から出て来られました
お向かいさん同士ですから
顔を合わせればご挨拶をします
いつもニコニコと笑いながら
おばあちゃんは会釈をしてくれます
私ももちろんアンパンマンみたいな
パンパンの顔で笑顔を返します
しかしその後私は
驚きの光景を目にしたのでした
いつも管理会社が掃除をしてくれていると
思っていたゴミ置き場でしたが
散乱したゴミを片付けていたのは
なんと向かいのおばあちゃんだったのです
私はてっきり管理会社が
掃除をしてると思っていたので
本当に驚きました!
感謝すべきは管理会社ではなく
向かいのおばあちゃんだったのか・・・
おばあちゃんが無言で掃除をしている様子を
私は3階の階段から眺めていて
なんか手を合わせたくなりました
きっとこのマンションの住人は
誰一人このことを知らないのでしょう
気がつけばいつも綺麗になっているゴミ置き場
もしかするとこんなことをやっている老人は
日本中にたくさんいるのかもしれないと思いました
みんなヒーローじゃないか
先日テレビの深夜番組で
ある老人のグループホームのことが放送されてました
グループホームとは
認知症と診断された老人が入所する施設で
老人ホームとは違いグループで共同生活を送るのが
基本の施設だそうです
しかし、その施設のスタッフの中になんと!
101歳のおじいちゃんが介護士として
働いていらっしゃると聞いてびっくりしました
だってグループホームに入所されている老人は
みなさん80代から90代の方でしたから
介護士のおじいちゃんよりも年下!
もちろん101歳の介護士さんは認知症にもならず
体も元気でお若いです
みなさん年上の介護士さんに介護されているって
どんな気持ちなんでしょうか
この101歳の介護士さんもまた
入所者さんにとってのヒーローなんでしょう
古い話ですが
私が高校を出て京都の学校にいくと決まったとき
私にはお金もなく
とても心細かったです
すぐにバイトが見つかるかどうかもわからない
初めての土地
初めての一人暮らし
訛り丸出しの田舎者
この歳まで祖父母に育てられた世間知らず
そしていよいよ京都に旅立つという日
ばあちゃんから封筒を渡されました
なんだろうと思い封筒を開けてみると
中にはくしゃくしゃの1000円札だけで
7万円が入っていたのです
えっ!と驚く私に
ばあちゃんはこの日のために
今まで貯めてきたと言いました
じいちゃんとばあちゃんと3人で暮らした18年
7万円貯めるのに18年もかかったのかと思うと
私は涙がこぼれました
『ありがとう・・・ありがとう』
何度もばあちゃんにお礼を言って
私は封筒を持って京都に向かったのです
あの時のばあちゃんもまた
私の老いたヒーローでした
そして私にはもう一人ヒーローがいました
生まれた時からアレルギー体質
30代で痛風になり
40代で血圧が上がり
50代で肝数値が上がり
長生きなんてできるはずがなかった私に
30年間、野菜中心の手作りの食事とお弁当を
毎日作ってくれた亡き妻です
私が飽きないようにとにかく多彩なメニューを
作り続けてくれました
気がつけば妻はキッチンにいました
キッチンではいつも何かを仕込んでいて
いつでもなんでもリクエストすれば作ってくれる
今思えば妻の人生の大半は
キッチンで過ごしたんじゃないかと思います
そんな妻が朝から口にするのは
一杯のコーヒーと
一本の缶ビールだけ
妻は私だけを健康優良児のように育て上げ
そして自分は58歳で人生を終えたのです
妻が亡くなって今年で9年
でも私だけがまだ生きてます
健康優良児は丸々と太って
ますます長生きしそうです
私だけが・・・
妻もまた間違いなく
私にとっての
名もなきヒーローでした
コメントありがとうございます! いつもコメント楽しみに読んでいます。 しばらくお返事ができませんがコメント頂けたら嬉しいです!
初めて拝見させていただきました。
心に響くことばかりで…。
私は訳あって離婚したのですが、その後、元主人は40代で亡くなりました。
離婚していても、悲しみは続いています。
お料理上手な奥様のお話も切なくなりますが、ずっと大切に思われていらっしゃって、奥様はお幸せですよ!
素敵です!
ブログ、また拝見させていただきます。