弱い男に声をかけるな!〜妻を亡くした男が早死にする理由とは

嫁のこと
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弱い男でいいじゃないか

 

愛する妻が死ねばプーチン大統領だって竹内力だって泣くだろう。

嘆き悲しんで自分も死にたいともがき苦しむ。

 

強烈な喪失感でただ日々が過ぎるのを抜け殻のように待つだけ。

それが当然だと思う。

私もそうだった。

 

それを弱い男だと罵られてもいっこうに構わない。

心がチタンでできているやつなんていないのだから。

 

しかし嘆き悲しむだけで終わらない男が大勢いるようだ。

女性セブンの記事だが、それを読むとただ『弱い男』と言ってられない現状があった。

 

妻に先立たれた男は、妻の死後7ヶ月目で23%がうつ病になるという。

通常は人口の3〜7%という数字だから異常に高いことがわかる。

さらに1年以内の自殺率が通常の66倍になり、妻の死後6ヶ月以内の男の死亡率が4割上昇するそうだ。

 

妻を亡くして死にたいと思ったとしても、自分まで死んでしまってはさらに悲しむ人を増やすだけだ。

妻の分までなんとか生きようと必死で頑張る。

自分も含めそう考える人の方が多いと思っていた。

 

しかし多くの男が妻の死後、早々に命を落としているというのが現実らしい。

だからと言って亡くなった方を『弱い男』だとなじることは私にはできない。

なぜなら、その男の気持ちがよくわかるからだ。

 

きっと人間は心が死ぬと体も死ぬのだろう。

生きる気力がなければ男だろうが女だろうが生きてはいけない。

 

嫁の死後、自分がどうやって生きてきたか実はよく覚えていない。

もしかすると私だって体調を崩し、生きる気力を失って死んでいたかもしれない。

 

おそらくだが私は、もっともっと嫁と暮らした日々のことをたくさん思い出したかった。

それには時間が必要だった。

 

長い結婚生活を出会ったときから思い出をなぞるようにトレースして行く。

そして毎朝毎朝、写真に向かって感謝の気持ちを伝える。

 

もっともっと感謝したい。

 

私にはそうやって感謝をする時間が必要だと思って生きてきた。

そうしたらもうすぐ5年がたとうとしているだけのことだ。

 

今は死に急ぐ気持ちなどまったくない。

生きれるところまで生きて電池が切れるように死ぬだけ。

若い頃のように『死』への恐怖も、もう感じない。

 

嫁が『こうやって死ぬのよ』と目の前で教えてくれたから、私はそのように死んでいくだけだ。

 

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弱い男を気遣う人々

 

死ぬ話ばかりで申し訳ない。

しかも私くらいの年齢になると『死ぬ死ぬ詐欺』ではなくて、本当に死んじゃうからしゃれにならない。

 

まあでも、この歳だから書けることもあるわけで、ひとりの老人の死生観として読み捨てていただければありがたい。

もしかすると私がギネス級に長生きするかもしれない。

そのときは『この死ぬ死ぬ詐欺野郎!』と罵っていただければと思う。

 

先程紹介した女性セブンの記事にはこういうことも書いてあった。

『配偶者との死別に悲しむ男性にかけてはいけない3つのNGワード』

 

記事によると、前述したように弱っちい男にうっかりこういうことを言ってしまうと男は傷つくよと親切にもアドバイスしてくれているのだ。

その3つの言葉とは・・・

 

『がんばってください』

え?

ぜんぜん私的にはOKですけど・・・

素直に『はい!がんばります!』と答えると思う。

しかし記事では『あなたはもっとやるべき。私は手伝わないけど』という意味が込められていると説明している。

 

はぁ〜?

どこまで心が曲がってるの?この記者は。

『がんばってください』の言葉の裏に『私は手伝わないけど』という意味が隠れているなんて誰が思うのだ!?

 

釈然としないが次のNGワードは・・・

 

『大丈夫ですか?』

だそうだ。

これも私なら『心配してくれてありがと〜!めっちゃ元気です!よく嫁が夢に出てきてこっちへ来いと手を振るんですけど、ブログ書かなきゃだからまだね!と断ってます。』くらい言うだろう。

しかし記事ではこう書いてある。

 

『遺族に探りを入れているだけで、何の慰めにもならない』ですと・・・

探り?

遺族に?

なんのために?

 

この記者さん、幼少期に何か辛いことでもあったんだろうな。

もうちょっとまっすぐに考えていいんじゃないの。

 

そして最後のNGワードはこれだ。

 

『大往生でしたね』

これはなんとなくわかる!

私の嫁も倒れてから3ヶ月ものあいだICUにいたので、側から見れば大往生だったのだろう。

しかしその辛い入院生活を知っているのは私だけだから、人にその言葉を言われるのはちょっと違う気もする。

 

ようやく最後にこの記事を書いた記者さんに共感したところで、この記者さんに一言言いたい。

 

あなたは配偶者を失ったことがあるの?

 

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最後に・・・

 

嫁が死んでからというもの、ほぼ毎日自炊して頑張っている。

食べることはやはり生きていくためには大切なことだからだ。

 

嫁は生前、私の健康を気遣って30年もの間一生懸命食事を作ってくれた。

それなのに嫁がいなくなった途端に、毎日外食やインスタント食品ばかりというのでは嫁に申し訳がない。

 

だから自分の食事くらいは頑張って作ろうと思っている。

しかしやってみてわかったが、一人分の食事を作るのってなかなか大変だ。

 

とにかく何を作っても2人分できてしまう。

いつまでたっても1人分が作れない。

 

女性セブンの記者さん。

 

配偶者を亡くすというのはそういうことなんだよ。

 

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