孤独死でいいんじゃないの？

いつ始まっていつ終わるのか

まだ何もわからないこの広大な宇宙では

人が生きるたかだか80年という時間も

宇宙規模で見れば

ほんの一瞬ピカッと光った程度のこと

宇宙にはなんの影響も及ばさない

 

 

地球規模でも見ても

自分が生きようが死のうが

地球にしてみれば

そんなことは知ったこっちゃない

 

なのに人間はやれ人生の意味だとか

生きた証だとか

何かにつけ理屈をつけたがる

 

そういう私も動画では人生について

よく語っているから

宇宙に笑われているのかもしれない

 

私が死んでもいつものように明日はくるし

何も変わらない

 

もしかしたら誰か涙を流してくれる人が

いるかもしれないが

でもその人も私が消えたって

明日の朝は朝飯食ってお昼には昼飯食って

夜は酒を飲んで寝るのだろう

 

誰が死んでも腹は減るし

眠くなれば寝る

何も変わらないのだ

 

最近のニュースだが

ある40代の男性が

京都のファストフード店内で突然倒れ

そのまま亡くなってしまったというニュースを

ネットで読んだ

 

これだけだと、まあさほど珍しいことではないという

印象を受けると思うが、実はこの男性は

スマートフォン１台、時計１個、鍵４本

キャッシュカード１枚、ポイントカード１６枚

診察券２枚、図書カード３枚、テレホンカード１枚

バスカード１枚、財布１個、現金５万１８９３円…

 

これだけ多くのものを身につけていたんだとか

それにも関わらずこの男性は

身元不明として火葬され

遺骨は京都のどこかのお寺に埋葬されたらしい

 

実は、この男性は身元不明ではなく

男性の住所には立派な家があり

ご近所とのお付き合いもあったということ

 

なのになぜこの男性が身元不明として

埋葬されてしまったのか不思議だ・・・

 

実はその理由の一つが

男性が顔写真入りの身分証明書を持っていなかった

 

例えば運転免許証とかマイナンバーカードとか

なんかお役所仕事的な理由だな

 

そしてもう一つの身元不明になった理由が

親族が見つかったにも関わらず

その親族は関わりたくないと身元引受人を

拒否したんだそうだ

 

せちがれー！！

 

親族に拒否られるって

よほど何かの諍いがあったとしか考えられないが

それでも亡くなったならもう仏様だろう

人生の最後くらい弔うという気持ちは

なかったのだろうか

 

このニュースを読んで

最近、やたらと社会問題化している

孤独死について私は思った

 

何も一人暮らしの老人が

自宅でひっそりと亡くなることだけが

孤独死ではないんだなと・・・

 

身元引受人がいなければ

若い人だって孤独死するんだということ

 

日本はもうすぐ一人暮らしの世帯が

半数を占めるようになるらしい

これで孤独死するなっていう方が無理なんじゃね？

 

私は個人的には孤独死でいいんじゃないの？

と思っている

 

家族がいる方は死ぬ間際に

愛する家族に看取られて逝けばいい

 

しかし日本の半分が一人暮らしだったら

もう孤独死も覚悟というか

受け入れるしかないじゃないか

 

私はもうこの世に未練もなく

やりたいことは全部やったと思っている

本当に大満足の今世だった

 

だから静かに一人で孤独死するのは

私の最後としてふさわしい気がしている

 

ただ、何が嫌かというと

何ヶ月も発見されないうちに朽ち果て

腐乱した状態で見つかるのはやっぱり嫌だ

 

周りに多大な迷惑をかける

お世話になった大家さんにも申し訳ない

 

だからここで私は政府に言いたい！

日本の半分が一人暮らしになるのであれば

政府は心拍停止すると即座に病院か消防に

アラームが届くシステムを開発して欲しい

 

そのセンサーが付いたスマートウォッチを

一人暮らしの方には義務として装着していただく

 

そうすると発見が遅れることもなく

早急にいろんな処置ができると思うのだ

 

もしかするとまだ助かる命もあるかもしれない

さらに延命を望むかどうかを

事前に登録できるようにしておけば

無駄に長生きすることもなく

社会保障費の負担も軽減されるはずだ

 

一人で産まれたのだから一人で死ぬ

それがそんなに哀れなこととも私は思わない

 

むしろ、死に際を家族に見つめられて死ぬ方が

私はちょっと照れる（笑）

できれば遠慮したい

 

どんな顔して死んだらいいのかと考えてしまい

なかなか死ねない気がする

 

なんだか死にそうで死なない

まるで昔のドリフターズのコントのようだ

 

それに冒頭でも言ったように

私が死んだところで娘も孫もいつものように

朝飯食って晩酌して普通に寝るのである

 

要するにただ私が終わるだけのことなのだ

 

思えば私だって

妻が亡くなった日も

朝飯食って

夜は酒を飲んだじゃないか

いつもと変わらず・・・

いつもと変わっていたのは

飯を食いながら

涙が溢れて止まらなかったこと

 

寂しくて寂しくて

一人うずくまったこと

 

そしてありがとうと

何度も何度も呟いたこと

 

それだけだ