日本特有のムラ社会
2021年のノーベル物理学賞を受賞したのは日本人だった。
その名は真鍋淑郎さん。
ただ、国籍はアメリカ人だそうだ。
最初にこのニュースを聞いて驚いたのは、真鍋さんが研究されていた気候変動が物理学の範疇にはいると知ったこと。
高校のときにきっと気象についても勉強したんだろうが、あれは物理の時間だったっけ?
あまりに遠い昔の話なのでまったく記憶がない。
今回の真鍋さんのノーベル賞受賞であらためてそうだったのかと勉強させられた。
その真鍋さんだが、地球温暖化が大気中のCO2濃度が影響していることを、初めて数値で証明された方なのだ。
私も会社員時代はサスティナブル担当部長をしていたこともあるし、『港区環境に優しい事業者会議』の理事をしていたこともある。
なので東京大学で行われた環境会議などにも顔を出したりしていた。
もしかするとあの時、真鍋さんも東京大学に来られていたのかもしれない。
おそらくこの方が、今の『持続可能な社会』を目指すという世界的な活動の原点の方ではないだろうか。
いわゆるSDGsである。
持続可能な社会とはいろんな要素が含まれているが、元々は地球環境を守るということからスタートしている。
その後、人種差別や貧困、ジェンダーなどいろいろな課題についてゴールが決められたと認識している。
そんな真鍋さんだが、冒頭に書いたようになぜかアメリカ国籍となっておられる。
その理由を聞いて私はたいへん納得した。
と言うかまったく同意見である。
真鍋さんはノーベル物理学賞の受賞のスピーチで、記者からの質問にこう答えている。
『あなたはなぜアメリカ国籍を取得したんですか?』
と言う質問だ。
それに対して真鍋さんは・・・
『日本人はまわりを気にして生きている。しかし私には周囲に同調して生きる能力がないのです。』
それが日本に戻りたくない理由だとはっきりとおっしゃっている。
スピーチの会場では笑いが起こったそうだが、しかしその真鍋さんのスピーチをアメリカンジョークと笑ってていいものだろうかと思った。
真鍋さんのセンスのいいスピーチだからこそ笑って済まされるが、私も含め日本の独特の同調圧力に嫌気が差している人は山ほどいる気がする。
しかしそう言う私も、もしかすると周囲に同調を求めていることがあるかもしれない。
嫌だな〜。
昔からある日本の排他的なムラ社会が、日本人の同調圧力の元凶のような気がする。
ある権力者の意見や、ムラにいつのまにか存在するしきたりに無言で同調させる圧力。
同調しないものは村八分とされ、そのムラから追い出されてしまうという今のいじめにも似た社会。
前述の真鍋さんの場合は、そんな日本が嫌で追い出される前に自分から日本を飛び出したのだろう。
そして日本人であることもやめた方だ。
なんと潔い方だろう。
今回の発言はノーベル賞受賞者だから特に言葉が刺さる。
自分の声を遠くまで伝えるには、やはり相応の努力と実績がないとダメだなと思った。
私などが日本の同調圧力について批判したところで、1mmの波風すら立てられない。
ただの変人のおじいちゃんだ。
真鍋さんにはよくぞ言っていただいたという気持ちだ。
すごいな〜。
人生の大先輩でもあるからたいへん尊敬する。
すでに90歳というご高齢だが、失礼だが存命中にノーベル賞が間に合って本当によかった。
真鍋さん、ノーベル物理学賞受賞!
たいへんおめでとうございます!
最後に
地球温暖化ガスの削減目標は、いろんな国が2030年までにはほぼ半減。
そして2050年までにゼロとする目標を掲げている国が多い。
しかし現状では逆に増加している先進国も少なくない。
日本はかろうじて目標ラインを頑張っている感じだ。
日本人の真鍋さんが地球温暖化の研究でノーベル賞を受賞されるのが決まった。
できればこの分野では日本が世界を引っ張ってほしいと思う。
そして真鍋さんのような方が自由に研究ができる日本になってほしいものだ。
ノーベル賞を受賞するほどの方から、日本には戻りたくないと言われたことは日本人としてあまりに残念すぎないか?
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