部長の朝礼ネタランキング1位『桜』

嫁のこと
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目黒川の桜が満開だった

あいにくの曇り空だったが

久しぶりに歩いた川沿いの道には

平日にも関わらず

大勢の花見客でごった返していた

 

目黒川の桜並木は長い

終わりのない桜の花のドームに

魅了されるのは日本人だけではない

外国の観光客がとにかく多い

 

しかし日本人もやたらと多いな・・・

 

平日に花見をしている日本人達は

いったい何をやってんだ?

仕事しろ!仕事を!と思いつつ

ビール片手にフラフラと歩く私こそが

いったい何をやってんだと言われそうだ

 

桜がまだ蕾のうちから

上野公園でビールを飲み

そして目黒川の桜が満開だと聞いては

目黒川に出かけてビールを飲む

 

きっと桜が散った後も

どっかでビールを飲んでいると思う

とにかく桜が咲けば飲む!

桜が散っても飲む!

桜と関係なくても飲む!

 

は?

 

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実は桜は冬の寒さがないと

花が咲かないということを

みなさんはご存知だろうか?

 

桜の木には休眠物質というものがあり

その休眠物質は寒くならないと

減少しないのだそうだ

 

ただ気温が暖かくなっただけでは

休眠物質は減少しない

だから冬の厳しい寒さこそが

桜の花を咲かせるのである

 

なんだか人の人生にも似ているから

どっかの会社の部長さんあたりが

朝礼で話しそうなネタだ

 

部長はシーンと静まり返ったオフィスを見渡し

そしておもむろにこう切り出す

 

『人生はまるで

目黒川の桜並木を歩いているようだ』

 

しかし部長がこの話をするのは

実はもう4回目

 

春になるたびにこの話だから

社員は心の中で『またかよ』と思う

 

もはやこれもなんとかハラスメントと

名前をつけても良さそうな気がする

 

と、同時に今年も春が来たんだなと

部長の朝礼で春の到来を知ることになる

 

しかし社員達は素晴らしい

まるで初めて聞く話かのように

部長から視線をそらさず

小さくうなずいている

みんな部下の鏡だ

 

そして部長は満足しきった表情で

朝礼の会場を後にする

 

部長はご満悦

部下は朝礼ですでにクタクタ・・・

 

私の妻が倒れた時に

母から一通の葉書が届いた

ちょうど桜が満開の頃だった

 

すでに高齢の母は

遠方までは見舞いに行けないのでと

葉書をよこしたのだろう

 

その葉書にはこう書いてあった

 

『桜の花は厳しい冬を乗り越えてこそ

一気に花を咲かせます

今は大変だろうけど頑張りなさい』

 

部長か!

 

まあ、母は母なりに

生死を彷徨う妻を前にした私を

励ましたつもりだったのだろう

 

しかし、私はこの文面を見て

当時、本当に『朝礼か!』と思って

思わず笑いが込み上げた

 

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あれから8年

よほど冬が寒かったのか

今年の桜は本当に美しかった

 

天気が良かったので散り際にもう一度

目黒川に桜を見にきた

 

あの頃妻と歩いた

川沿いの桜は8年前と同じままだ

何も変わらない

 

今年も見事に咲いて見せ

そして桜は散った

 

しかし来年になれば

桜はまた見事な満開の花を見せてくれる

 

でも人は・・・

一度散ればもう二度と咲くことはない

 

桜と人の人生って

全然似てないじゃないか

 

部長!

来年はもう桜の話は

やめにしませんか?

 

 

 

そして桜の花よ

できればもう少しだけ

花を散らすのは待ってほしい

 

もう少しだけ

 

目黒川を妻と一緒に歩いた

 

あの頃のことを

 

思い出していたいから

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コメントありがとうございます! いつもコメント楽しみに読んでいます。 しばらくお返事ができませんがコメント頂けたら嬉しいです!

  1. シルバーゼロハンライダー より:

    いつも読ませていただいています。83.5歳の老人(男性)です。
    大事な男性機能はとっくに失っていますが、前立腺肥大症があるので、死ぬまで男性ですね。
    ペコリーノさんと同じく、3年前に女房が亡くなって(癌で6年間闘病生活でした)、先日4回忌を済ませました。自分の気持ちを自分では書けませんので、ペコリーノさんのブログや動画を見て、ああ同じだなあと思っています。
    年金と家賃の話はフローの問題でしょう。ストックのこともちょっと聞きたいですね。

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