巣鴨の居酒屋
巣鴨は生前の嫁とよく飲み歩いた街だ。
地蔵通りはおばあちゃんのシルバーカー部隊が隊列を成して歩いている。
だけどちょっと道を外れると巣鴨にもいいお店がたくさんあった。
その一件の居酒屋に私はよく通っていた。
古い居酒屋だが2階席もあり、いつも満席になるほどお客で賑わっていた。
私はもっぱらカウンターの奥の席で一人で飲んでいたが、このお店の煮込みは東京で一番うまいと思っている。
お客さんのほとんどがこの煮込みを注文するからお店の一番人気だと言っていい。
お店の料理で美味しかったものは味を記憶して家で再現してみることが多かった。
まあ、だいたい似たような味に作れる自信はあった。
しかしこのお店の煮込みだけはどうやっても真似ることができなかった。
実に不思議な味。。。
うま過ぎて汁一滴も残さずに食べる。
一度友人を5人連れて行ったことがあるが、5人でも5個の煮込みを頼むのだ。
絶対に独り占めして食べたい味。
誰ともシェアしたくない。
あのお店の煮込みを食べるときだけは他人に寛容な気持ちになどなれない。
当時のお店には一人のタイ人が働いていた。
色の黒い痩せた若いタイ人の男だったが、彼は日本語が全く通じないため客の注文すらとれない。
私も何度かそのタイ人に注文したことがある。
まさか日本語が全くわからないとも思わなかったので、ただ笑っているだけのそのタイ人にいささか腹が立ったこともある。
他の客もそうだった。
注文を無視されると誰でも腹が立つ。
それで時々客とも揉めることがあった。
ただそのタイ人は人の良さそうな男だった。
日本語さえ覚えれば・・・
しかし言葉だけじゃなく仕事もまだよく覚えていない時期だ。
あのお店の女将さんはちょっと口が悪く、叱るときもかなりきつい口調で叱りつけた。
私はいつもカウンターで飲んでいるから、あのタイ人が女将さんからこっぴどく怒られている声がよく聞こえてきた。
おそらく言葉がわからないから女将さんから何を怒られているのかもよくわかってない。
ただタイ人の若い男は上目遣いで怯えながら卑屈に頭を下げていた。
そして休憩時間になると、タイ人の男は料理場の狭い土間にしゃがんで賄いのご飯を食べている。
他のスタッフは空いているカウンターで賄いを食べていたが、あのタイ人だけは水浸しの土間にしゃがんだまま食べていた。
彼は泣いていた。
土間にしゃがんで泣きながらご飯を食べている。
私の席からはその様子が見えた。
なんともいたたまれない気持ちになったが、彼は日本に来てまさかこんなところで食事をする自分を想像していただろうか。
そして私は引っ越しをして巣鴨に行くこともなくなった。
あれから1年以上は経っただろうか。
久しぶりに仕事で巣鴨に行ったので、あの居酒屋の中毒性のある煮込みが食べたくて顔を出した。
するとあのタイ人がまだいるではないか。
しかも私が暖簾をくぐったら彼が『いらっしゃい!!』と威勢よく声をかけてくれた。
日本語が話せるようになったのか!
厨房で忙しく働きながら手際よく客から注文を聞いている。
『アリガトゴザマ〜ス!』
おいおい!
ボビー・オロゴンより日本語うまいじゃないか〜。
私が生ビールを注文すると厨房に『ナマイッチョ〜!』と声を張る。
厨房からも『アイヨ〜』と返事が・・・
タイ人が笑っている。
今日は泣いてない。
そっか。
日本語の勉強を頑張ったんだな。
なんだか私は胸が熱くなった。
どういう事情でタイから日本へやってきたかは知らないが、まるっきり日本語も勉強せずに日本に来るにはそれ相応の事情があったのだろう。
しかし彼は苦しい中、1年間頑張ったのだ。
彼はいつか笑える日が来ると信じて頑張った。
偉いな〜。
乾杯でもしてあげたいぞ。
今、ウクライナから難民となってポーランドをはじめいろんな国へ逃げている人たち。
知らない国で言葉も通じず大変だと思うが、いつかあのタイ人のようにきっと笑える日が来ると思う。
どうか生き延びて頑張ってほしい。
老後のおひとりさまごはん
朝食はライスサラダ。
シラチャーソースをたっぷりかけた。
紫キャベツ、紫たまねぎ、トマト、ブロッコリー、パセリ、ケッパー、レモンパセリウィンナー、卵、ごはんが入っている。
ドレッシングは人参ドレッシング。
今日のご当地ラーメンは山形の『鳥中華』。
そば屋の中華そばだ。
スープは本当に蕎麦つゆの味がするが、これにラードが入っていてい実にうまい!
晩ごはんは休肝日なのでサグチキンカレーとサラダ。
実物はもう少し綺麗な緑色になっている。
もう少しほうれん草を入れたいところだが、安いミキサーを買ったので1束分を回すので精一杯だ。
昨日はゆいまるくんのシャンプーカットの日。
冬の間はモコモコの羊カットだったが、春が近いので元のサマーカットに大胆に変身!
また子犬になった。
寒くて震えが止まらない・・・
日本が韓国を植民地にしてからすでに110年以上が経つ。
しかし未だ当時の侵略戦争が慰安婦問題や徴用工問題として解決されずにいる。
プーチンは100年後にはもうこの世に存在しないが、今のウクライナ侵攻がこれから何年もの間傷跡を残し続けることをわかっているのだろうか。
街を破壊し市民を傷つけた報いは後世まで代償を支払うことになるのだ。
自分で責任取れないことをなぜやるのか。
※昨日もコメントありがとうございます!
コメントありがとうございます! いつもコメント楽しみに読んでいます。 しばらくお返事ができませんがコメント頂けたら嬉しいです!
プ-チンは自分で責任取れないことをなぜやるのか?確かに。私もペコリさんを支持。プ-チンよ、頭冷やして考えろ!!
[…] 休肝日の晩ごはんはチキンカレー。 […]