老後と聞いて何を連想する?
『老後』と言われたら皆さんは何を連想するだろうか。
・老後=楽しい
・老後=幸せ
実はこんな連想をする人はほぼ0に等しい。
なぜならこんなキーワードで誰も検索していないからだ。
では世の中の人は『老後』というキーワードと組み合わせて、どんなワードで検索しているかというと・・・
・老後 生活費
・老後 貯金
要するに上位のキーワードのほとんどがお金に関わるワードなのだ。
だから皆さんが『老後』と聞いて連想するのはまず間違いなくお金のことである。
老後に必要な資金は2000万とも5000万とも言われている。
こんな額面だけを聞けば誰だって不安になることは間違いない。
それをよりによって政府が言うもんだから、老後は楽しいなどと連想する国民がいるわけがない。
日本はこの30年間、現役世代の平均賃金はほぼ横ばい。
30年も賃金が上がってない国なのだ!
30年前と言えば私がまだ35歳の頃・・・
当時はまだ消費税も3%の時代だ。
それから30年。
賃金は上がらないのに消費税は17兆円も増えている。
これじゃあ実質的な収入は横ばいではなく減少じゃないか!
しかも消費税は17兆円も増えているのに税金の総額では5兆円しか増えてない。
その理由は個人の所得が減ったことで所得税が減り、さらに企業が稼げないために法人税も減少した。
それにより消費税による増税は相殺され、実質的には5兆円しか税収は伸びてないというありさまなのである。
現役時代も稼げてないのに、政府はどうやって老後の資金をつくれというのだ。
老後のための貯金も、あるいは投資も、収入に余力がないと不可能である。
最近やたらと目にする『楽しみながらの節約術』とか『年収200万で豊に暮らす』とか、この手のタイトルの本や記事にはもううんざりだ。
政府によるプロパガンダとしか思えない。
『月の食費1万円でやりくりレシピ!』
『月に3000円も食費を節約する裏技!』
『これを知ればあなたも節約マイスター!』
いやいや、節約節約ってもうヘトヘトですよ・・・
なのにテレビではタレントの大食いチャレンジや芸能人の爆買い企画ばかり見せられる。
セールの冷奴をつまみに発泡酒を飲みながら、こんな番組を日本国民はどんな気持ちで見ていると思うのだ?
お金の心配は現役時代からずっと!
安い賃金で働いて必死で子供を育て家族を守る。
最低限の生活で子供をなんとか大学まで進学させ一人前にし終えた頃にはもう50代。
そろそろ夫婦の老後のことが気になりだす年代だと思う。
しかしまだまだ住宅ローンも終わりが見えない。
会社での自分の立ち位置もこの年代が一番大事な時だし、この50代にどう仕事するかによって生涯年収も大きく変わる。
夫婦二人の生活を楽しむどころか、人生で最も激務に励まなければならない年代なのだ。
しかし部長職やましてや役員となると、社員の中のほんの一握りの人しかその椅子に座ることはできない。
大抵の人たちは閑職に追いやられたり日当たりのいい席が用意されていたりで、収入もピークを過ぎて徐々に下がり始める。
これでは老後の資金どころか、現役時代からずっと資金ぐりに明け暮れる一生ではないか。
そして待っている老後が本当は幸せな老後であってほしいと願っても、現実は現役時代と何ら変わらず老後資金と生活費と貯金に悩む日々なのである。
ところが・・・
この現役時代の貧乏生活が意外なところで役に立つ。
それはどういうことかというと、老後に資金が足りない、生活費が足りないという人は意外にも現役時代にお金を稼いできた人たちだったからだ。
生活習慣が原因!
なんとなくわかる気がする。
私も多少経験があるが、生活って気づかないうちにどんどん大きくなっていくものだ。
低賃金とは言え50代のピークになるまでには少しづつ昇給もしてきた。
それに合わせて生活も少しづつ大きくなり一家の固定費もそれ相応に膨らんでいく。
先ほどの平均的な日本国民の話ではなく、年収が1000万円や2000万円を超えるような人たち。
この方達が老後になると、実は老後資金が足りないとか生活費が足りないという状況になり、挙句の果ては老後破産にまで追い込まれる確率が高いとのこと。
要するに収入が公的年金だけという生活になっても、現役時代と変わらない生活のレベルから抜けきれないのだ。
特に要注意なのは以下のような人たち。
そもそも若い頃から貯蓄をする習慣がないという人もいるだろう。
あればあるだけ使ってしまう人。
私だ。。。
収入と支出を毎月きちんと管理せずに、買いたいものがあれば好きなだけ買って満足するタイプの人は、説明するまでもなくお金の収支は破綻してしまう。
自分のことだからよくわかる。
まだ現役の頃はそれでも定期的に収入があるからよかった。
しかしこれが年金生活となると、夫婦二人で満額でも24〜5万円という生活なのだ。
現役時代の半分以下!
いや、元々高収入の方達だからそれ以上だろ。
それでもいつまで経っても休日は車でゴルフ。
ゴルフの後は奥様と優雅にレストランで外食。
シャンパンにヴィンテージのワインをボトルでがぶ飲み!
自宅での晩酌もプレモル飲んだら山崎か響のハイボールだ。
山崎や響を飲んでた人がいきなり角ハイには変えられないのもわかる。
季節ごとに奥様と温泉旅行に行き、年に一回は海外まで足を伸ばして贅沢な旅を楽しむ。
こんな生活を年金受給者になってからも続けていたら、そりゃ貯金がいくらあっても足りるわけがない。
私はこれだけはキッパリやめた。
というか、私の場合飲みの付き合いが半端なかったのだ。
だからこれだけはもうやらないと決めた。
さすがに現役時代は友人や取引先、あるいは親戚などの付き合いをやらないというわけにはいかない。
そこには子供や仕事やいろんなしがらみが複雑に絡み合って、付き合いがあって円滑な社会生活が回っていたと言ってもいいほどだ。
しかし老後の限られた資金と生活費の中から、そんな交際費が捻出できるわけがない。
現役時代じゃないのだ。
すでに年金暮らしなのである。
だったら真っ先にカットすべきはこの交際費。
要するに付き合いをやめるということだな。
これができず、いつまで経っても週末はやれBBQだ、パーティだ、ゴルフだと言っていると、交際費だけで少ない年金はすぐに飛んでいってしまう。
私は賃貸暮らしだから住宅ローンはない。
しかし家賃が家計に重くのしかかるから、住宅ローンを抱える人とさほど環境は変わらないだろう。
よく私も呑気にこんなブログを書いていられるものだ。
人のために書いている暇があるなら少しは自分のことを考えたらどうだね、ぺこりーのくん。
ただ、自分が住む家は自分のライフスタイルに大きく関わる。
私は元々転勤ばかりしてきたので家を買うタイミングがなかったというのもあるし、引っ越しばかりしたおかげで賃貸ファンになってしまったのだ。
今でも隙あらばまた別のところに引っ越して住みたいと思っている。
そういうボヘミア〜ンな性格がゆえ、この歳まで家も持たず引っ越しにお金を費やしてきた。
おかげでいろんなところに住めて本当に楽しい人生だった。
私は持ち家という財産がない代わりに多くの思い出という財産を手に入れた。
それで大満足である。
ただし、自分の持ち家をお持ちの方は家の心配はいらないからそこは安心だ。
ただタイトルに書いたように、年金生活になっても住宅ローンを払い続けているとなると話は別。
老後資金から住宅ローンを払い続けるというのは固定費としては重すぎる。
できれば定年を迎えるまでには、なんとかローンを完済しておきたいところである。
老後資金に苦しまないために
とにもかくにも定年を過ぎてからの大きな出費は避けることである。
例えば先ほどの住宅ローンにしても然り。
できれば例年までにローンは終わらせておくこと。
そして生活水準を収入の範囲まで落とすことである。
プレモルの代わりに金麦。
山崎の代わりに角ハイ。
ゴルフはコースを回るのは年に一回。
後は打ちっぱなしでいいじゃないか。
そうすればガソリン代もかからない。
夫婦で贅沢な旅行はできなくても、お金のかからない趣味はたくさんある。
私だってベランダで育てている植物を見て幸せだと思えるようになった。
あと厄介なのが子供にかかるお金。
もしかするとまだ教育費がかかっていたり、子供や孫への出費などもバカにならない。
私も孫が二人いるが、いつも娘から指定された誕生日プレゼントを送っているので、こちらの予算など全く無視。
私はまだ働いているからハイハイと言って買って上げてるが、これが本当に年金だけ生活になったとしたら、とてもじゃないがそんなわけにはいかない。
子供との付き合いも考えなければならないのだ。
しかし老後資金が尽きて生活費すらままならないというのでは、逆に子供に迷惑をかけてしまう。
だったら孫への誕生日プレゼントもきちんと予算を話して、できる範囲でやってあげるほうが子供にも迷惑がかからない。
老後資金のまとめ
老後資金が足りないと言わなくて済むように、とにかく身の丈に合った生活水準にすることが一番大事なことだ。
私も今までやってこなかったが、収入と支出の管理をちゃんとやって贅沢も付き合いもやめる。
そんな小さな生活ができるようになると、その中から今まで気づかなかったような新しい楽しみを発見できたりするものだ。
現役時代の贅沢に代わる楽しみ。
老後はそれを見つける時間がたっぷりある。
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