偉人たちの死
いつも思うがこの春がまだ64回目の春だと考えると、まだたったの64回しか桜を見てないのか?と、人生がすごく短かったように感じる。
人生で桜を見る機会が100回もないのだ。
しかし桜が咲く季節に初めて小学校の門をくぐった入学式の日。
きっとそんな日があったはずなのに遠すぎてまったく記憶がない。
本当は思い返せないほど月日は経っているのだ。
やっぱり64年の歳月は長かった。
64年間、私は何を学んで生きてきたんだろうと考えてみる。
浮かんでくるのは私にいろんな影響を与えてくれた人たちのことばかりだ。
たいていはみな死んでしまっている。
私が20歳そこそこのロック少年だったころに死んだセックスピストルズのシド・ビシャス。
とにかくカッコよかった。
私にファッションを教えてくれた偉人だ。
『シド&ナンシー』という映画を見て、本当にこいつは不良だと思った。
そしてたしか22歳という若さであの世へ行ってしまった。
ロッカーはこうやって死ぬべきだとそのときに思った。
ミックジャガーが元気な老人でいまだライブをやっているのが私には信じられない。
私はRストーンズの『ブラウンシュガー』を聞いて、こいつらは不良とかじゃなくて本物の悪人だと思った。
それがどうだ。
ミックジャガーはライブを続けるために、健康ドリンクを飲んで毎朝ジョギングしているらしい。
それが悪党のやることか!?
ボブマーリーが死んだのも私が24歳のときだった。
衝撃だった。
当時イギリスで空前のスカブームが起こっていて、私も武道館までスペシャルズのライブを見に行ったほど好きだった。
ボブマーリーが最後に残した言葉は『お金は命を買えない』という言葉。
それからも私に影響を与えた偉人たちがたくさん亡くなった。
暗黒大陸じゃがたらの江戸アケミや吉祥寺のいせやに入り浸っていたフォークシンガーの高田渡。
フレディ・マーキュリーにデビッド・ボウイ・・・
名前をあげればキリがない。
そして私の青春そのものだった忌野清志郎。
みんな何かしら私に影響を与えたのは間違いない。
しかし具体的に何か学んだかと言われてもうまく説明ができないのだ。
体制とか反骨とかそういう言葉が思い浮かぶが、あまりはっきりと輪郭が見えてこない。
尾崎豊もひたすら自由を追い求める姿を私に見せてくれた。
しかし心に残っているのは『バイクを盗んだらダメでしょ』くらいだ。
私が大好きだったアーティストたちからは、私は何も学んでこなかったのか・・・
そんなものだったのかな〜。
冷静に考えてみて、私が学んだこととはもっと現実的なことだった。
学校でもない。
勉強でもない。
あいだみつをでもない。
偉大な経営者が書いたビジネス書でもない。
ましてや論語など読んだこともない。
私が学んだのはすべて『経験』からだった。
勉強なんてまったく役立たずだったと思う。
私が美大に行ったのも、小学校から書き始めた漫画だったし、卒業アルバムの挿絵や運動会の看板など、いろんなものを描いた経験が進路を決めた。
コンテンツマーケが仕事になったのも、中学生時代のラブレターの代筆や初めて書いた小説がコンテストで入賞した経験からだ。
経験だけが自分に自信をもたらし、金を稼ぐスキルとして身についたものだ。
ただ、経験するということは『まずやってみる』という行動からしか生まれない。
そのモチベーションは多くの偉大なアーティストが教えてくれたようにも思う。
『見る前に跳べ』
自分も少しづつ死に近づいて行っている。
私に跳ぶことを教えてくれた偉人たちは、若くして自分が死ぬことを想像できただろうか。
自分の晩年というものを知っていたのだろうか。
私の嫁も今から6年前が自分の晩年だったとは知らずに死んだ。
よほど余命宣告でもされない限り、自分の晩年を知るよしもないのだろう。
できれば私は晩年を知りたいと思う。
よく最後の晩餐に何を食べたいかという質問を耳にするが、ほとんどの人の最後の晩餐は点滴だろう。
いつ死ぬかがわからないのに、最後の晩餐にすき焼き食べたいと思っていてもまず不可能だ。
だからせめて自分の晩年を知り、最後にやりたいことをぜんぶやってから死にたい。
もう経験することは何もないと言えたら最高の晩年だ。
老後のおひとりさまごはん
昨日の朝食はうなぎめし。
うなぎとごぼうを味付けしてある冷凍のおかずを買ってみた。
量的にはうなぎめしと呼ぶよりもごぼうめしと言う方が正しい。
刻んだ大葉とよくあう!
ランチはいちご。
いちごをメープルシロップでマリネした。
ちょっとお昼は控えるようにしたのでこれだけだ。
ゆいまると分け合って食べたが、もうちょっと甘いいちごを買ってこいよ!というような目で私を見上げる。
たしかにな。。。
夜はれんこんと肉団子の甘辛炒め。
サラダ菜とささみのサラダ。
フジッリのガーリックマリネ。
フジッリに刻んだタマネギとガーリック、ピクルス、ミニトマトを混ぜてレモン汁を絞り、オリーブオイルと塩でマリネする。
これがうまい!
ロックミュージシャンの死は世界中のファンに衝撃を与える。
『アーティストはこうやって散るんだよ!』
と教えられているようだ。
平凡な64歳の男は、そんなアーティストに憧れながらも生きさらばえる。
みなさんのようにカッコよくは死ねませんって。
サプリを飲みながらスクワットをしている様は、まるでミックジャガーのようだ。
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