ぺこりファームでは
きゅうりが大豊作である
自宅の賃貸マンションのベランダでやってた
ベランダ菜園では
収穫の喜びなど一度も味わえなかった
しかしさすがに本物の畑は違う
もう勘弁してと言いたくなるほど
きゅうりが育つ
ちょっと油断すると
武器になりそうなくらいに
でっかく成長するから
とにかく目が離せない
さらに危険なのは
スーパーのセールできゅうりが安かったりすると
ついぺこりファームのことを忘れてしまい
きゅうりを買ってしまったりする
そして家に帰ってゆいまるくんをどけて
野菜室を開けた時に変な声が出る
ヒエッ!
Google検索の履歴には
ズラーっと『きゅうり』の文字が並ぶ
もうたいていのきゅうりのレシピは試してみたが
一番美味しかったのは私のオリジナルレシピ
『マルちゃん正麺ごまだれ冷やし』のゴマだれで
きゅうり、生わかめ、ちくわを和えた酢の物!
これはいけた!
一番うまい!
無限きゅうりとか書いてあるレシピで
無限に食えるほど美味いものは一つもなかった
ごまだれ酢の物が一番なのだが
これを食べるためには
『マルちゃん正麺ごまだれ冷やし』を買わなければ
食べられないのがネックである
今、我が家には
きゅうりとマルちゃん正麺の麺だけが
大量の在庫として残っている
そこで『きゅうり マルちゃん正麺』とGoogleで検索したら
なんと!こんなレシピが・・・
きゅうりを細切りにして
マルちゃん正麺ごまだれ冷やしにトッピングしろだと!
あ・・・・それな!😂😂😂
わかめもちくわも冷やし中華のように
トッピングすればよかったのか〜😂
きゅうりの暴力的な成長はおいといて
冷静に考えると
大都会東京のど真ん中で
小さいながらも畑で農作業ができるというのは
なんて贅沢なことなんだろうかと思う
自分で作って自分で料理をして
無農薬の野菜を食べる
作る満足と食べる満足の両方が得られるのだ
採れたての枝豆をすぐに塩茹でして
これをあてにビールを飲む!
こんなことは楽園にでも住んでなければ
できっこない!
昔、埼玉の枝豆農家さんに取材に行ったことがある
その農家のご主人曰く
枝豆を食べる時は
キッチンでお湯を沸かしてから
畑に枝豆をとりに行くとおっしゃっていた
枝豆はそれほど鮮度が大事なんだそうだ
あの時の農家さんの言葉を思い出し
『うんうん』と頷きながら枝豆を食べる
たしかに採れたての枝豆は
弾力があって実にうまい!
居酒屋の付き出しで出てくるような
干からびた枝豆とは天と地の差だ
枝豆だけでミシュランの星がとれる
思えば若い頃の私は
いつか南の島に移住するのが夢だった
南の島とはどこと決めていたわけではなく
なんとなく太平洋にポツンと浮かんでいる
島のイメージだ
いわゆるリゾート地であり
誰もが想像する楽園
天草という島育ちで
田舎の島の暮らしに飽き飽きして
島を飛び出したくせに
また島だと?
しかし、結局楽園がどこなのかもわからず
月日は容赦なく流れ
人生の終盤を迎えてしまった
老後の1日は若い頃と比べ
1日の重さが違う
若さはいつまでも続くと思っていたあの頃
死は遠い未来の話で想像すらできない
でも今は、明日目が覚める保障もない
妻も友人も死に
死は遠い未来の話ではなく現実になった
だから今日という1日はとても大切な1日なのである
そして人生を振り返ってみる
悪くない人生だった
悪くないどころか幸せな人生だったのでは?
思いもかけずこんなに幸せな人生を送れたのは
本当に家族のおかげである
苦しいことも多かったはずなのに
今はそんなことも忘れてしまった
予想外だ・・・
畑で汗を拭いながら空を見上げて
ハッと思う
私が若い頃に夢見た楽園って
ここじゃないか!?
畑の時間はゆるゆると流れ
まるで雲と同期して進んでいるようだ
『もしかして私は、いつからか南の島に住んでいたのか・・・』
まだ手術の傷口が少し痛む
その痛みすら生きていることを実感させる
車で30分も走れば一流の大学病院があり
無事に手術を終えることができた
もしかするとこの病院のおかげで
私の人生は伸びたのかもしれない
そしてまた車で30分も走れば
今度は畑に着く
鈴なりの暴力きゅうりたちが
私に『退院おめでとう』と
言ってくれている気がした
楽園の住人は
案外そのことに
気づかないのだろう


コメントありがとうございます! いつもコメント楽しみに読んでいます。 しばらくお返事ができませんがコメント頂けたら嬉しいです!