おちおち死ねない老後
世界第1位の長寿国である日本。
老後は長いぞ〜と書き続けてきたが、どうやらさらに長くなりそうな話が聞こえてきた。
朗報なんだろうが、なんだかちょっと残念そうな書きっぷりだ。
その朗報とは・・・
日本人の死因の第1位はご存知のとおりガンである。
そのガンの生存率がどんどん伸びているという結果が出たのだ。
ガンにかかっても10人に7人は5年後も生存している時代になったという。
さらに、10人に6人は10年後も生きているということが最近の調査で判明している。
ガンは死ぬ病気というのがみなさんの共通の認識かと思うが、この割合を見るとどっこい!
なんと生存率は意外に高いということがわかった。
国民病と言われるガンの生存率が上がることで、今後日本人の寿命はさらに伸びる可能性がある。
そうなると、本当におちおち死ねない時代になりそうだ。
ただし厄介なのは、そのガンの治療にかかる費用はどんどん高額になっているようで、長くなった老後の家計をさらに圧迫することも考えられる。
寿命は伸びたが金がないでは、せっかくの老後もあまりありがたくなくなってくる。
しかも2019年に労働政策研究・研修機構が行った調査によると、ガンに罹患した方達の多くは会社を休職して治療に専念したと答えていて、休職期間は6ヶ月以上と答えた方が43.2%だったそうだ。
さらにガンにより退職した人の割合を企業に聞いた調査では、90%が退職したと答えた企業が8.5%もあるという。
ガンの場合は他の病気と比べると、罹患後の収入の状況が大きく変わってしまう可能性がとても高いことが予想される。
寿命が長くなることはたいへん喜ばしいことだろうが、やはり健康で長生きするということがあらためて重要であると認識しておきたい。
若い世代のガン患者は女性が多い
ちょっとあまりに大きい数字の差だったので私は驚いた。
20代〜30代におけるガン患者数を男女で比較すると、なんと女性の患者が80%を占めるという結果が出ているのだ。
部位でいうと子宮頸ガンと乳ガンの2つである。
いずれも女性特有のガンだ。
そもそもガンは高齢者の病気で、男女とも50代以降に患者数は増加し高齢者になるほど高くなる。
しかし40代までの若い世代の場合、女性は特にこの2つのガンについては早期発見・早期治療を心がけなければならない。
この2つのガンは、早期に発見できれば比較的治りやすいこともわかっているので、とにかく早く見つけることが重要なのだ。
乳ガンの場合の10年生存率は平均で80%である。
しかしステージ1で発見されれば10年生存率は90%まで上昇するのだ。
いかに早期発見が大事かということがこれでわかる。
一方で衝撃的な数字も報告されている。
39.9%
これは警察庁が11月に発表した数字だが、何の数字かわかるだろうか。
これは10月の自殺者数の前年同月と比較して増加した割合である。
その中でも女性の自殺者数がかつてない増加を示していて、その数は昨年と比較して82.6%も増加したのだ。
約2倍である。
その理由として芸能人の自殺が続いたということが、自殺の連鎖の引き金になっているのではとも言われている。
しかしさらに具体的な理由として、コロナ禍による生活困窮者の増加だ。
総務省の発表によると明らかにコロナによって女性の非正規雇用者が減少しているという事実がある。
女性の多くが仕事を失い収入を絶たれた結果、生活するのが困難となっていることがわかっている。
今年4月以降は特に、コロナの影響による女性の失業者数が増え続けている。
失業保険も受けられず社会のセーフティネットからも漏れてしまった女性が、自殺という最悪の選択をしているという悲しく辛い現実だ。
女性が若い年代のガンを克服しても、コロナによって自死してしまってはどうしようもない。
世の中には今日の食事にも困っている人たちが大勢いるのだ。
どこか遠くの赤道の国の話ではない。
私たちが住む日本の話なのだ。
ぜひこの記事を読んでいただいているみなさんにも、わずかなお金で救える命があることを知っていただきたい。
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