忘れられない女性戦士たち
私が現役時代に働いてきた会社は業界的に女性が多かった。
それゆえ女性の上司もいたしもちろん多くの部下は女性だった。
長い会社員生活を振り返ってみて、今でも忘れることができない女性のビジネスパーソンが何人もいる。
男社会で戦う女性戦士だ。
またオリンピック関連で女性蔑視発言があったらしい。
安倍前首相をオリンピックリオデジャネイロ大会の閉会式でスーパーマリオにした人だ。
電通出身でクリエイティブディレクターという肩書き。
元々安倍マリオを考えた人だから人をいじりたがるパフォーマスが好きなのだろう。
しかし今回の発言は相手が渡辺直美さんではなく、仮に相手が男性であっても許される内容ではない。
私は女性を蔑視どころか、これまでたいへん助けられてきたから尊敬しかない。
私のキャリアは女性の部下たちのおかげなのだ。
つまり優秀な部下がいないと出世など到底できないということだ。
逆に言えば自分も上司を支えることによって、上司は上のポストへ就くことができ自分の上のポストが空いていく。
そうやって私はキャリアアップを重ねてきた。
私の部下として仕事をした優秀な女性たちは、共通して地頭がよかった。
地頭と言ってもなんのこっちゃと言われそうだが、いわゆる勉強の成績ではなく元々持っているいろんな能力が優れているということ。
一言で言うと『頭がキレる』と言うのだろうか。
どの女性社員もそれはそれはキレものだった。
私を出世させてくれた凄腕OLの1人目は、私が京都の会社にいたときの部下だ。
社歴としては先輩だったが、私が立ち上げた新規プロジェクトのスタッフとして私の部下になってくれた。
その部下はどんな女性かというと・・・
当時はまだ20代という若さだったが、私が何を望んでいるのかを察知すると私の上の役員にまで根回しをするという、凄いことをやってのける女性だった。
こういう女性が部下にひとりいるとすべての仕事はうまくいく。
なんせ顔も可愛いし性格もいい。
役員なんてただの男だからこの女性がこうしたいと言えば、誰も反対などするものはいない。
むしろお前が役員か!というくらいに決裁力がある。
しかも事務能力が際立っていて、私が報告をする会議資料は私の順番が回ってくる間に会議中にノートPCで作ってしまう。
だからいつも私の発表の番ギリギリにしか資料ができない。
焦る私は会議のたびにオペ中の医者のように汗をかいていた。
頼むから事前に資料作ってくれよと言うとその回答がすごかった。
『ぺこりさん!会議はいつも同じじゃないんです。今日の会議の流れを見て、これなら必ず決裁がとれるという資料作りをしないとダメなんです。だから資料は会議中に作るんです。』
と・・・
そして部の方針や会社の方向性、さらには担当役員のご機嫌までものさしで測って、それで作り上げた資料で私が報告をするのだ。
そして提案は決裁され私の評価はどんどん上がり出世もできた。
気が強い女性が仕事をする
次に東京にスカウトで来てからの会社でも、すでに課長職についていた女性がいた。
つまり私の直属の部下である。
社員300人の中で30代で課長になった女性だ。
しかもマーケティング職だから数字にも強い。
仕事をしながら大学院に通いMBAの取得を目指していた勤勉家。
美人で聡明、仕事も早ければ仮説力がすごい!
そのロジカルな思考は誰も勝てないくらい理路整然としていた。
尊敬もできるし信頼もできる素晴らしい女性部下だった。
しかし・・・
この美人課長は恐ろしく気が強い女性だった。
自分が正しいと思えばたとえ相手が社長であっても絶対に自分を曲げない。
彼女のハートはチタンでできていると思っていた。
私とも何度もぶつかって泣いて謝ってを繰り返して、そして5年ほど同じ部署で仕事をした。
ちなみに泣いたのは私の方ではない。
鉄のように強い女性だったが泣く時も激しかった。
私が知る限り、日本でアベンジャーズにはいれるのは彼女ひとりだと思う。
最後に私史上最高に仕事ができる女性だった部下がいる。
あるジュエリーブランドの宣伝課にいた女性Kだ。
Kは立命館大学出身で、転職してこのジュエリーブランドで仕事をしていた。
おそらく当時は自分の能力に気がついていなかったと思う。
私がそのジュエリーブランドに転職したのは彼女よりも後だったが、その当時はWEBコンテンツの担当をしていた。
そして私がそのジュエリーブランドの宣伝担当の責任者になり、それからKが直属の部下となった。
ブライダル業界はこの数年ひじょうに厳しい業界となった。
まず少子化だから結婚する人が減少している。
さらには結婚相手が見つかっても結婚式をしない。
結婚式をしてもお金をかけない。
などなど、お金をかけるセレモニーに日本人は価値を見出さなくなっているのだ。
ブライダルジュエリーも同じく、結婚指輪は買うけど婚約指輪の購入率は50%まで下がった。
シュリンクしていく市場で競合はひしめき合い淘汰されていった。
そんな厳しい市場の中で、売り上げを落とさずに広告費を1億削減する計画を立てた。
常識的に考えればそんなことはできるわけがないのだ。
なぜなら、もうすでに絞っても一滴の水すら落ちてこないほど経費は削られていたからである。
カラカラに乾き切った雑巾だ。
そこで私が考えた仮説を設計し調査し実現してくれたのがそのKだった。
頭の良さと仕事の速さはあのスーパーコンピューター『富嶽』なみ。
人の飛沫の計算なんて、彼女にやらせたらもっと緻密にやれるはずだ。
しかも天然の愛嬌の良さから誰からも愛されている。
厳しいプロジェクトに挑むには、みんなの気持ちがひとつにならなければならない。
Kは持ち前の愛嬌と人柄で部内をひとつにまとめ、見事に私の計画を成功に導いてくれたのだ。
年度末の役員会で、私は客数と売り上げを落とさずに広告費1億を削減したことを報告した。
それがきっかけで私は次の会社へ役員としてスカウトされ、そのKが私のあとのポストにつき全国に40店舗を持つジュエリーブランドの責任者となった。
サラリーマン社会では、上司を出世させることこそ自分が出世する早道である。
そういう意味では私は女性に感謝しかない。
コメントありがとうございます! いつもコメント楽しみに読んでいます。 しばらくお返事ができませんがコメント頂けたら嬉しいです!
初めまして!
すみません、読者になってから日が浅く
ペコリーノさんの正体?前歴に詳しくなくて…
料理はプロ級、こーゆー男性は五万といますが
創作されるご自身のお料理も外ご飯の写真も
ますで女性雑誌以上のセンス、盛り方や器の配置、
マットやテーブルフラワー、むっちゃおしゃれです。
文章の出汁も効いてるし、奥さんラブなところも
グッときます。アーカイブ遡って全ブログ読みます。
楽しみ〜!
ファイト裕子さん
初コメントありがとうございます!
沼にハマりましたね(≧∇≦)
料理はまだまだ未熟ですよ。
ただブログのおかげかもしれませんが腕は上がりましたね。
写真もスマホで撮影してます。
ほんとはもっといいデジイチとかで撮影すればいいんでしょうが、できる範囲でやればいいかなと・・・
もう200記事超えましたのでぜんぶ読むのは大変ですよ。
またお待ちしております!
ありがとうございました。
ペコリーノさんこんにちは。
いつも楽しく読まさせていただいています。
ペコリーノさんのビジネス人生はモテモテだったんですねー、島耕作みたいだったんですねー、うらやましいな~
でもそんな宝物の様な出会いが何度もあったのは、やはり島ペコリーノさんの仕事が素晴らしく、必死に頑張っていらっしゃったからだと思います。
私も島さんと同世代、もうビジネスマン人生は未来より過去の方がはるかに多くなってしまいました。
残念ながら私は女性とビジネスの場でのそんな出会いは無かったですが、男性との宝物の様な出会いは数回あります。
それらは何よりその男性が素晴らしかったのと、自分も必死に頑張り、しっかり働いていたからこそ、その人と出会え、響きあえたのだと思います。
その人間関係には今も物心両面で助けられ、物心両面で豊かにいることができます。
来世でもう一度ビジネスマン人生を送れるなら島ペコリーノさんのような経験をしたいです。
これからも楽しいブログ発信し続けてください。
スティックさん
コメントありがとうございます!
いやいや、ブログなので簡単にまとめてますが、仕事のできる女性をマネージメントするのは苦労がいりました。
もっとドロドロで仕事してましたよ。
しかし男性であれ女性であれ、人生に影響を与えるような出会いがあったこと自体が幸せですね。
来世があるなら私は男性の部下がいいです(笑)
島さんはコロナになってしまいましたよね。
スティックさんもお気をつけください。