命日
今日は嫁の5回目の命日だ。
つくづく時間が経つのは早い。
もうそんなにひとりで生きてきたのかとあらためて思う。
なんだか時間のスピードは人生の折り返しあたりから急に早くなるような気がする。
これも相対性理論というやつか?
私たちに当たり前のようにやってくる明日という日。
しかしあの日、嫁に明日がくることはなかった。
永遠に来ない6月24日という日。
明日が来ることは当たり前じゃないと初めて知った日だ。
嫁は今頃天国で何をやってるんだろう?
相変わらず仲間とズンバを踊ってビールを飲んでバカ笑いしているのだろうか。
それとも大好きだったグイン・サーガをまた読み返しているのかも。
いや、カラオケで嫁の十八番だった『天城越え』か『残酷な天使のテーゼ』を大声で歌っている?
嫁は『天城越えカラオケ大会』という天城越えだけを歌って点数を競いあう大会に出場したことがある。
それほど天城越えという歌が大好きだったし歌もうまかった。
そうだ。
サウナ命の嫁だったからきっとサウナにはいっているな。
嫁は、人生の1/5くらいはサウナの中にいたと言っても過言じゃないほどのプロサウナー。
『サウナで整う』という極致を知っていた。
地元のサウナには必ずボスがいて、そのボスにさからうとサウナにはいれなくなるとよく言っていた。
席の取り合いや新人いびりなどなど。
サウナという密室で起きるそういういろんな揉め事を嫁はことごとく解決してきた。
女の方が面倒臭いと嫁がよく言っていた。
そしてサウナに平和が戻ると、嫁はまた次のサウナへと旅立つ。
水戸光圀か!!
犬が大好きだった嫁。
実家では大きなシェパードを飼っていたし、東京に来てからはシーズーのらんまるとゆいまるを心から可愛がっていた。
そのらんまるは嫁のあとを追うようにして死んでしまった。
もしかすると今日もらんまると一緒に散歩しているかもだな。
2人が天国で幸せに暮らしているならそれでいい。
もう痛みも苦しみもない世界で。
そして今度はちゃんと明日という日がきてたらいいな。
いつかまた会おうね。
嫁と最後に外食したのは、水道橋にあるラクーアの叙々苑で食べた焼肉だった。
嫁は焼肉が大好きだった。
茗荷谷にある焼肉の人気店『和』には家族でよく行ったものだ。
そしてあの日叙々苑の焼肉を食べながら、嫁は『美味しい、美味しい』と何度も繰り返していた。
明日が来ないとわかっていたなら、あと100回くらい焼肉食べさせてあげたかった。
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