老いの美学〜ジブリの人気アニメ映画『紅の豚』に学ぶ

老いるということ
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美学とは

 

『老い』を美しいと思っている人は誰もいないだろう。

だから永遠の若さを保ちたいと努力をするし、お世辞にも『若い』と言われたりすると狂喜する。

 

しかしどんなに若造りな格好をしても、若いのは首から下だけ。

重力と寄る歳なみには誰も勝てないのだ。

 

ただ、それは見た目だけのことである。

歳をとるということは見た目には枯れていくが、人としての美しさは別物だと私は思っている。

 

禿げ散らかした頭部にたるみきった腹。

顔に刻まれたシワはもうどうしようもない。

老いたのだから。

 

ただこれまで生きてきた生き様や経験。

学問ではなく世間や社会から学んだ多くのこと。

 

たくさん許してきたこと。

弱い人に肩を貸してきたこと。

 

そういった自分の人生を彩ってきたすべてのことが、人としての厚みとなり老いても魅力のある人間を作ると思う。

美学とは美しさの本質を追求する学問のことである。

 

本質を追求すると、美しさとは見た目のことではないはずだ。

 

私の大好きなジブリの映画を見るといつもそう思う。

 

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ポルコ・ロッソの生き方

 

ジブリ映画『紅の豚』の主人公ポルコ・ロッソは、見た目は髭をはやした豚である。

映画をご覧になった方も多いと思うが、ポルコ・ロッソは自分で自分に醜い豚になるように魔法をかけた。

 

本当はまだ30代のイケメンパイロットなのだ。

豚になった理由はわからないが、おそらく戦争やいろんな人間のしがらみから距離を置きたかったのではと思う。

ひとりアドリア海に浮かぶ小さな孤島で世捨て人の様に暮らすポルコの姿に、私が老いさらばえたあとの自分の生き方を重ねてみる。

 

ポルコの本名はマルコだ。

しかしマルコと本名で呼ぶのは、ホテル・アドリアーノの女主人ジーナだけ。

 

マルコは名前も捨てたのだ。

マルコと呼ばれていたころは、イタリア空軍のスーパースターだった。

若い頃に輝かしい栄光を手にしたマルコも、今では昼間からワインを飲みラジオを聴きながら昼寝するただの豚。

 

過去の栄華を自慢することもなく、隠遁生活に身を落としたことを憂うわけでもない。

たまにアドリア海に出没する悪党を捕まえては賞金を稼ぐという日々だ。

まるでどこかの国の年金生活者のような暮らしに見えてくる。

 

しかしそのどこかの国の老人には、美のかけらもないような人がたくさんいる。

若者の味方をするわけではないが、どんな生き方をしてきたのかと聞きたくなる同年代がやたら多い。

 

若手社員に自慢話をする年配上司。

若い人への頭ごなしのハラスメント。

店員さんに威張り散らす老人。

自分を曲げない頑固じじい。

 

そんな高齢者が多いのにうんざりする。

 

過去の名声など忘れよう。

自慢話などせず、人に迷惑をかけず、ただ自分の自由な時間だけを好きなように使わせてもらう。

 

老いて醜くなる自分も自分だ。

最後まで愛してあげよう。

 

ここはアドリア海ではないが、小さな部屋でひとり静かに酒を飲みながら老いを楽しむ。

孤島のマルコのように・・・

 

そして私が死ぬときは誰の記憶にも残らずに、老木が朽ち果てるようにこの世から消え去りたい。

 

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追記

 

ポルコ・ロッソの意味は『紅の豚』。

アニメでは飛空艇の戦闘シーンや、アメリカ人の賞金稼ぎとの対決のシーンなど、見どころ満載の映画となっている。

 

しかしそのサブストーリーでは、ポルコとホテル・アドリアーノの女主人ジーナとの恋の行方も見逃せない。

ジーナは未亡人だ。

 

亡くなってしまったご主人はポルコの戦友。

 

しかしジーナはその友人と結婚する前からポルコのことが好きだった。

ポルコもまたジーナのことが好きなのだが、お互い好きだと言えないまま時は流れる。

 

側で見ててイライラするくらい、大人のくせにピュアな二人なのだ。

 

『とっとと好きと言って一発やれ結婚しろ!!』

と声を荒げたくなる。

 

これはジブリのアニメ映画だが、生身の人の人生もまた映画のようだ。

 

ただ映画のようにもう一度見ることはできない。

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